上通の魅力を
タレントの田中洋平さんに
インタビューしました。
- 上通商栄会会長 田原 誠也
- メガネの大宝堂 布田 善久
- タレント 田中 洋平
2
皆さんインパクトが強くて面白いから商品より“人”が印象に残る
「上通」の思い出といえば?
- 田中
- 僕は高校から市内に来たので、デートといえば上通でした。25年前ぐらいの若いころの話ですけど、蜂楽饅頭に行って甘いものを食べたり。さっき昼の街という話をしましたが、健全な雰囲気で、古着屋さんがあったりしてすごくおしゃれで。ドキドキしながら手をつなぐかつながんかぐらいの感じで歩く印象です(笑)。僕の中では“青春の通り”って感じですね。
- 田原
- 僕たちの逆ですね、僕たちにはできない。知ってる人だらけだから、違う所でデートしなきゃいけない。バレバレだけん(笑)。下町なので、誰かに見られたら「あんたんところの息子は女の子と歩きよったよ」とか、すぐそうなるので(笑)。
- 田中
- 親同士もおじいちゃんおばあちゃん同士も知ってるような世界ですもんね(笑)。あと、デートでお酒を飲むときも、上通や並木坂の方に来ていました。そんなに広くなくて、しっかりと目が届く範囲で仕事をしていらっしゃるお店が多くて、カウンターで二人きりで静かに飲むとしたら上通のイメージなんですよね。大人っぽい、いい空気で騒がしくもないし。そういう雰囲気は、皆さんのまちづくりや声の掛け合いでできているんだろうなと。例えば子どもができて家族で街なかに来て買い物をするとしても、上通はすごく安心ですよね。温かさがあって楽しくて、すごくいい街だなと思います。
よく行っていたお店はありますか?
- 田中
- レコード屋さんのWOODPECKER(以下、ウッドペッカー)に行っていました。高校時代に洋楽に目覚めて、ウッドペッカーというすごいお店があると詳しい人から聞いて。カッコつけたい年頃なので、「俺ウッドペッカーに行ってきた」っていう見えを張るために行きましたね(笑)。あと、デートでスイスに行ったり。大人になってからは長崎書店にも行くようになりました。
上通や並木坂で、思い出す人や店主はいますか?
- 田中
- 八起堂のお母さんは名物ですよね。テレビ番組の街頭インタビューをしていると、八起堂のお母さんが「今日は何ね?」って声を掛けてくれるんです。ファミリーというか、家族がいっぱいいるような感じで面白いです。あと、ラジオ番組で各店の店主の方々とお話をさせていただく機会がありますが、皆さん個性的です。田原さんなんて、お店の前に立っているだけでなんだかすごいオーラがありますし(笑)。それぞれ社長さんや店主さんがお店の看板になっているという感じがします。あと気になる人は、蜂楽饅頭の紫色のショートカットのお母さん。通りかかると絶対「今日は何?」って声を掛けてくださるんです。そして、仕事が終わるとお着替えされて出てこられるんですけど、めちゃくちゃロックンロールなんですよ、格好が。革ジャンみたいな服を着ていらっしゃったりして。
- 田原
- 黒が多いんですよね。
- 田中
- そう、お店でのかっぽう着のスタイルとあまりにもギャップがあり過ぎて、カッコいいお母さんだなと思って。皆さんインパクトが強いですよね。そこが面白い。そして、面白いから“人”が見えるんですよね。商品より人の方が印象に残っているという。
- 布田
- それはうれしいです。“人”があってこそ人が集まって、街になって、上通ができている。やっぱり“人”が中心ですよ。じゃないと、ここまで文化的な街はできなかったと思う。
- 田中
- “人”が目立つから、その人が教えてくれることは面白いことなんだろうなとか、薦めてくれる商品はいい物なんだろうなと思いますよね。「上通」ってイメージすると、田原さんや布田さんや、そういう人たちがまず思い浮かぶ。皆さん、人に会いに来るんだと思います。僕が上通に行って街頭インタビューをするのも、そういう気持ちがあるからかもしれない。お店の皆さんが「ようこそ! よく仕事してるね」って言ってくださるから、すごく温かくて居心地がいいんです。